OUTLINE 事業内容
実施概要
「人類の福祉と健康」に貢献する薬科大学としてのブランドを高める一環として、本事業では創薬科学的な展開にフォーカスしてアカデミア創薬を実践します。

東京薬科大学は日本で最初の私立薬科大学として高水準の基礎研究を継続し、文部科学省の創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業(PDIS)でアカデミア創薬を支援するなど多数の実績があります。
このような研究環境を基盤に、学内外の生物学系研究者による創薬に関わる研究から創薬シーズ(創薬の種)の探索・構造最適化を行い、医薬品候補化合物などを企業に導出することを目指すとともに、未来の創薬を担う人材を育成します。

事業の目的
本事業では「創薬化学により人類の福祉と健康に貢献する大学」として、私学におけるアカデミア創薬の研究・教育拠点としてのブランディングを目的とし、学内外の共同研究によるアカデミア創薬を実践します。

アカデミア創薬とは?
アカデミア創薬とは、創薬の基礎研究から医薬候補化合物を創りだすまでの段階を、大学などの研究者が行うものです。 新薬の開発は、様々な分野の専門家の力を集結することにより進められます。現在、新薬の開発には約10年あるいはそれ以上の年月と、1000億円を超える研究開発費を要するとされています。特に、臨床試験においては多くの医療機関の協力と専門的なノウハウが必要です。
こうしたことから、従来、医薬品の開発は資金力と人材をもった製薬企業でないと進めることがほぼ不可能でした。しかし、大学などのアカデミアの基礎研究の成果の中には、医薬品開発の原石となるものがあります。この原石を大学の研究者が自ら医薬品候補化合物にまで磨き上げ、製薬企業に導出することにより新薬を生み出そうという取り組みが「アカデミア創薬」です。

医薬品開発の現状/
課題に応えるアカデミア創薬

医薬品開発は人々の健康に貢献することに加え、産業としてわが国の経済に大きく貢献をしています。しかし、近年では新薬開発の難易度が高くなっており、国際的な競争が激化しています。
新薬の開発には多額の投資が必要であり、そのことが製薬企業による開発対象疾病の選択に影響しています。
また、限られた資金の効率的利用のために創薬基礎研究からの撤退、開発研究へのシフトを余儀なくさせられており、一つの企業が新薬を基礎研究の段階から創り上げていくことが難しくなっています。一方、社会では新たな治療薬の開発を必要とする疾病は数多く、切望する患者が大勢おります。
そこで、基礎研究を得意とする大学などのアカデミアが企業の医薬品開発に応えられる新薬の原石を発見し、医薬品候補化合物まで磨き上げることが必要になってきました。これは、将来の日本の医薬開発を支え発展させる上で非常に重要なことであり、この分野で東京薬科大学が果たせる役割は大きいと考えています。
「創薬拠点の東京薬科大学」を
目指して
東京薬科大学は、創薬に関連する研究を行う研究者と、薬に関する様々な領域の専門家とを擁しています。本事業では、有機化学を基盤として両者を繋ぐことで企業への導出を目標としたアカデミア創薬を実践し、私学における「アカデミア創薬の研究・教育拠点」としてのブランディングを目指します。

また、学内での研究のみにとどまらず、文部科学省の創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業(PDIS)に参加してアカデミア創薬を支援し、学外との共同研究を現在も継続しています。
更に平成29年度には科学研究費助成事業の採択件数が私学薬科大学の中で最上位になるという実績を持っています。

これらの実績と環境を基盤に、学内の生物学系研究室(生命科学部)、薬剤学系研究室(薬学部)と連携した研究チームを編成し、創薬化学的な研究に特化した取り組みを行うことでブランド力を高めていきます。
同時にこの事業は学部学生・大学院生の医療品開発への意識を高め、企業に輩出する人材の育成にも貢献します。
期待される研究成果
本事業のゴールは、医薬品としての臨床開発と実用化に向けて、医薬品候補化合物等(医療シーズ)を企業に導出することです。

ブランディングによって日本の経済成長や、世界中の健康な社会へ貢献ができると考えられます。
